セカンドベストはなんだ?

最善の策が取れなくても良い。最善を尽くすことがダイジ。

IPv6 IPoE接続「広域イーサネクスト」でDLNAのNAT越え

広域イーサネクストでDLNAのNAT越えに挑むまで経緯

それでもDLNAをロケーションフリー化する方法 - セカンドベストは何か?
それでもDLNAをロケーションフリー化する方法 part2 - セカンドベストは何か?
では、長々とDLNAの仕組みを調べ上げ、
VPNルーターを用いてDLNAのルータ越えに挑戦した。
結果、Ether-IP接続で、「DLNA」のルータ越えには成功したが、
DTCP-IP」≒地デジをルータ越しに見ることができなかった。
「rttが7ms以内」の壁がその原因だ。


パケットの遅延は、VPNに古くからある課題であったし、
世の中が猫も杓子も「アイクラウド」だ、「ドロップボックス」だのと
「クラウドサービス」が流行りだしたことで、
なおいっそう影響が大きい新しい課題でもある。


そんな折、「rttが1 〜 4 msec 程度」という信じられないほど
低遅延な通信を可能にするというVPN方式が現れた。
その名も「広域イーサネクスト」!!!
開発元は、なんでもかんでもVPN通信を可能にし社会問題にまでなった
ソフトイーサ」だというから、その技術にも期待が高まる。

広域イーサネクストが低遅延な理由

「広域イーサネクスト」は、
フレッツ回線同士という環境に限定しているが、
IPv6 IPoE接続という2011年7月に解禁されたばかりの
NTTのサービスを利用することで、
画期的な低遅延VPN接続を可能にしているという。

そもそもなぜVPNは遅延が大きいのか?

ひとつは、暗号化の処理時間やパケットをカプセル化することによるオーバーヘッド。
PacketiXのようなソフトウェアタイプならいざしらず、
VPN処理用ASICを搭載したルーターなら、設定次第では1ms程度しか影響しないはず。
最大の原因は、インターネット回線の経路がLANに比べて圧倒的に距離が長く、膨大な数のネットワーク機器を経由しなくてはならない。

NTTフレッツでIPv6 IPoE接続を解禁

2011年7月21日、NTTはフレッツ 光ネクストでのIPv6 IPoE接続 (ネイティブ方式) の提供を開始した。
ちなみに普通のインターネット(フレッツADSL,フレッツ光等)は、
IPv4 PPPoE接続。

PPPoE接続とIPoE接続の違い

IPoE接続ができると、フレッツ網とインターネットがシームレスにつながるので、
極論をいえばプロバイダが不要になってしまう可能性を秘めている。
それはさておき、VPN接続にとって大きいのは、
「端末間通信(域内折り返し)」と呼ばれるフレッツ回線の契約者同士で直接通信できるようになったことだった。
今までのPPPoE接続では、
【拠点1】--(フレッツ網)--プロバイダA--プロバイダB--(フレッツ網)--【拠点2】
という経路でなければ通信できなかった。
それがIPoE接続では、
【拠点1】--(フレッツ網)--【拠点2】
のように、プロバイダを経由せずに通信ができるようになった。
今までも「フレッツVPN」という法人向け有料サービスで、
同様のサービスはあったが、
IPoE接続が解禁されたことで、
個人ユーザーやSOHOでも気軽に高速VPNを構築できる環境になった。


余談だが、「フレッツVPN」という有料サービスが
事実上無意味になったことで、
専用線を引くお金はないけど、それなりのVPNを使いたい
企業向けに、無料だけど申し込み・セッティングが必要な「IPv6オプション」とIPoE接続の抱合せアドバイザリー業務が、
ネットワーク屋さんの小遣い稼ぎとして流行りそうな気がする。

広域イーサネクストの秘密

広域イーサ ネクスト - 概要・特徴を参照すると、
広域イーサネクストは、NGN内で折り返し通信をするだけでなく、
NTT 電話局の経路すら最適化できてしまうらしい。
そのため、従来の「フレッツVPN」やただのIPoE接続を用いたVPNより低遅延だとか。
もはや画期的を通りすぎて、胡散臭さを感じるほど素晴らしい。

実践編

こんなにも素晴らしい「広域イーサネクスト」なのに、
なぜかネット上でユーザーの情報が極端に少ない。
まあ、フレッツ回線同士という縛りがあるせいだろうか。


とにもかくにも実践あるのみ。
設置は至って簡単。
ISOをCDに焼いて、起動するだけ。

IPoE対応プロバイダの選定

ちなみに、IPoE接続対応プロバイダの契約は
フレッツ東日本同士、もしくはフレッツ西日本同士の場合は不要。
NTT西日本は、プレスリリース時に「IPoE対応プロバイダの契約が必須」としていたため、
誤った情報が流通している。
「広域イーサネクスト」のウェブサイトでも、西本ではプロバイダ契約が必要と案内されているが、実際は不要。
フレッツのサービス情報サイトより「IPv6オプション」を申しこめば、
IPv6での端末間通信ができる。
「フレッツ 光ネクスト」におけるIPv6アドレスによるインターネット(IPv6 IPoE)接続への対応および「フレッツ・v6オプション」の提供開始について


今回は東京・大阪間、つまりフレッツ網の東西をまたぐので、
IPoE接続対応プロバイダの契約が必須になる。
じつはIPoE接続対応プロバイダというのがくせもので、
大人の事情で、IPoE接続の回線は
BBIX, JPNE, インターネットマルチフィード の三社しか参入できていない。
そこに各プロバイダがOEM供給を受けているような形。


で、IPoE接続対応プロバイダで定番は
IIJで月額2100円。
IIJ: IIJ「フレッツ・シリーズ」対応サービス
一番安いのはビッグローグで
IPoE接続はなんと無料!
(必要なのはプロバイダ料金の600~800円/月だけ)

結果


ご覧の通りのエラーが表示されて終了。
(液晶に拳がめり込んだ痕が生々しい)
原因として考えられるのは、NTTからレンタルしている
ルーター機能搭載した回線終端装置PR-S300HIさん。
セキュリティ設定でIPv6のフィルタリングをすべて通過にしても、
完全にパススルーにはならないご様子。


奥の手としては、PR-S300HIの裏蓋を外すと、
ルーター機能を切り分けてつかうことができる。
が、今度も同様のエラー。
フレッツのIPv6では、IPv6アドレスの取得方法が「ひかり電話」を利用している場合とそうでない場合で異なり、プレフィックスが云々と、
ともかく複雑。


PR-S300HIが原因かもしれないし、
「広域イーサネクスト」の設定次第ではなんとかなるかもしれない。
だけど、「広域イーサネクスト」はすべての設定を自動でやってくれることになっているので、
マニュアルや仕様書の類が一切ないんだぜ!
つまり、うまくいかなかったら、それまで。
終了orz

次回

わざわざプロバイダを契約してまでしたけど
動かなかった「広域イーサネクスト」
だけどあきらめんなよ!
真矢みきだって、あきらめないんだから。


ビッグローブをソッコーで解約し、
気づいたらPX-W3PEとPX-W3U2(PX-W3U3)を購入していた。
ちなみにこのジャンルではPT2一択で、
PXーW3PEは2chでも不安定という声が目立っていた。
実際、使ってみたら、PX-W3PE2枚差し・PX-W3U2=6ch同時録が超安定。
2chの書き込みの大半は、PT2の転売屋のデマかと。


次の記事では、DTCP-IPなしのDLNAと利用したテレビ番組をクラウドちっくに配信する夢の録画鯖構築にチャレンジ!