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「ロスレス再生で音質は劣化する」 - 本当は怖い可逆圧縮

iPhoneやウォークマンなどポータブルオーディオの宣伝効果で、「可逆圧縮は非圧縮音源とまったく同じ音質で再生できる」と短絡した誤解が広がっているようだ。
ロスレスコーデック(可逆圧縮)はあくまで非圧縮音源をそのまま『保存』できるだけ。『再生』するときは音質が劣化する可能性がある。
ロスレスは音質が悪い」と主張するとオカルト扱いされてしまうトレンドにあるので、きちんと調べてみよう。

デジタルでも音質が劣化する?

可逆圧縮も非圧縮もデジタルデータは100%バイナリ一致(ビットパーフェクト)。
ZIP圧縮・解凍を繰り返しても、「お宝画像.jpg」の画質は永遠に劣化しない。
JPGファイルだけでない。WAVファイルをZIP圧縮・解凍を繰り返しても音質は劣化しない。

ロスレスコーデックもZIP圧縮と同じように元データを100%保持している。
しかしロスレス圧縮したファイルを再生すると、WAVファイルと比べてわずかに音質が変化(=劣化)する。
なぜか?

3段論法で証明

  • 大前提:クロックによって音質は劣化する
  • 小前提:ロスレス・デコード処理で発生したノイズがクロックを劣化させる
  • 結論:可逆圧縮音源を再生すると音質が悪化する。

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クロックってなに?

デジタル信号は0と1の組み合わせ。
000101010・・・と続くデジタル信号を一定のタイミングで区切るのがクロック。

どうしてロスレスを再生するとクロックが劣化するの?

ロスレスファイルを再生するには、データを解凍しないといけない。
データを解凍するときに発生したノイズがクロックを劣化させる。具体的にはジッターが増えるとされる。
デジタル信号は0と1を判断するだけなのでノイズに強い。一方クロックはジッターが増えれば増える分だけ、信号処理のタイミングがズレたりする影響がでてくる。
WAVとロスレスはデータがビットパーフェクトであっても、再生したときのクロックの違いが音質に影響する。

クロックの影響ってどんだけぇ?

ぶっちゃけ普通は気づかないだろう。
非常に優れた聴覚を持っていたり、優れた再生環境・プレイヤーであれば違いを認識できるはず。
クロックがズレたら、音に違いが出てくるはずなので。

エラそうに書く貴様は違いが分かるのか?

無理。AMラジオとFMラジオがかろうじて分かる程度の鈍感野郎でござい。
ただ音質が悪くなると知っていて、あえてロスレスを選びたくない。音楽のファイルサイズが倍になるくらい気にならないし。

続く

クロック云々については対策もある。
クロックの劣化と端折ったが、デジタル信号からアナログの変換処理も奥深い。
そのあたりを整理したうえで、じゃあどうすればいいのよ?ってことを考えてみたい。
(考えるだけだけどね。だって糞耳だし。)